𠮷田 明子 教師（YOSHIDA BALLET STUDIO（ヨシダバレエスタジオ）)のインタビュー

夫婦ふたりで立ち上げたバレエ教室

9歳からバレエを始めました。テレビなどの影響を受けたのかもしれません。周囲にバレエをしている人はいなかったのですが、自分から「バレエをやりたい」ということをずっと言っていたようです。そこにたまたま、祖母のお友達の娘さんがバレエ教室をされていて、その発表会があることを知らされたのです。バレエに生で触れたのは、その発表会が最初の機会で、以来、ずっとこの道を歩むことになりました。
チャイコフスキー記念東京バレエ団に入団後、ヨーロッパ各地を回る海外ツアーや、日本でも全国公演に多く参加させていただく機会に恵まれました。2003年に結婚を機にバレエ団を退団したのですが、それからほどなくして、先輩から「教える仕事があるんだけど、あなたどう？」と声をかけていただいたのです。初めはお手伝いのような感じでしたけども、その教室の先生からも後押しされ、2004年から『YOSHIDA BALLET STUDIO』を主人（吉田和人 代表）と共に立ち上げることになりました。
当スタジオの特徴としては、1人ではなく、2人の先生からレッスンを受けられることがあげられます。例えば、男性と組むパ・ド・ドゥのレッスンも女性目線、男性目線の指導がおこなえますしね。夫婦ふたりで立ち上げたお教室も、気づけば20年近くが経過しました。

お子さんだけではなく、大人も。みんなバレエが好き

お子さんはプレクラスに始まり、幼児クラス、児童クラスと続き、レベルや体の成長に合わせてクラスを編成していきます。子供はご近所にお住いであることが多いのですが、これが大人クラスになると、遠方からお越しくださってる方もたくさんいらっしゃいます。お仕事が終わり、夜のレッスンを終えてから終電に乗って帰る、というルーティンをずっと続けている方もいらっしゃるんです。子供の頃にバレエを習っていたという方から、まったく初めてという方まで経歴は様々で、年齢も、大学生から還暦を過ぎた方まで、本当に幅広い層の生徒さんが通ってくれています。共通するのは、みんなバレエが好き、ということですね。

得意なことを褒めて伸ばす

得意なところを伸ばしてあげる、ということを忘れないように指導しています。例えば、回るのは得意だけどジャンプは苦手、という子もいれば、その逆もあるんですね。私の子供時代の先生がそうだったのですが、発表会では飛ぶのが得意な子はいっぱい飛ばせるし、回るのが上手い子は回るのが多いしと、得意分野をさらに伸ばしていけるような指導を心がけています。
指導では、声かけが大切です。同じ言い方でも、それが素直に入ってくる子もいれば、そうでない子もいると思うんですね。どうすればこの子に響くのか、届くのかといったことを常に考えて声をかけるようにしています。あとはやっぱり、褒めること。注意は必要ですが、褒めて伸ばすという意識が大切です。

子ども達の成長を見守っていける楽しみ

バレエのレッスンは、同じことの繰り返しでもあるんですね。ストレッチをして、バーにつかまり、基本的なことを繰り返していく。でも、その毎日のコツコツが子ども達の成長につながっていきます。発表会はもちろんのこと、レッスンを久しぶりに見学されたお母様方は「すごく上手くなってる」とびっくりして帰っていかれるんです。
コツコツ続けていくことで、集中力や持久力がついていきます。バレエ以外でも、挨拶がきちんとできるようになったり、あるいはお姉ちゃんが下の子を手伝ったり。それはまた下の世代に回っていくもので、見てるこっちも嬉しくなります。考えてみると、子ども達の成長していく過程をつぶさに見てきたことになるんですね。最初は裸んぼでスタジオを走り回っていた子が、今はもうハタチを過ぎた立派なレディです。その子達が遊びに来てくれたり、発表会の手伝いをしに来てくれるのですが、そうやってつながっていけることが何より嬉しいですね。

地域の皆さんへメッセージ

バレエは頭も体も使う芸術です。頭で考えていることを体で表現するのは、言うほどたやすいことではなくて、ましてそれが連続するのがバレエです。ある方はご冗談で「ボケ防止になる」と仰っていました（笑）。だからでしょう、大人クラスの生徒さんは「杖をつくようなおばあさんになっても来ても良いですか？」と仰ってくれるんです（笑）。
『YOSHIDA BALLET STUDIO』はみんなで和気あいあいとアットホームで真剣にバレエに取り組むスタジオです。踊ることが好き、バレエが好きという方は、ぜひいらしてみてください。

※上記記事は2022年3月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。