大川 匡弘 ヘアデザイナー（NICO HAIR DESIGN)のインタビュー

この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

きっかけ・・・きっかけはあんまりないなあ（笑）。勉強が好きじゃなかったから技術職に就きたかったというところですかね。誰かに言われたとかではなく、自分でそれしかないかなと思っていました。美容師を選んだ理由。それも、何となくキャッチーだったというか、自分でも「これ」という理由はなかったんですよ。ただ、とりあえずで始めてみたものが、やってみると面白くて、ずっと続けていたというのが正直なところです。
やった分だけ返ってくる時もあれば、そうでない時もあるのがこの仕事ですが、自分の技量がステップアップしていくことは、はっきりとわかります。そこは非常に面白いところですね。

専門学校を卒業して都内の美容室に就職しました。最初のお店では8年間お世話になったのですが、そこで美容師としての心構えやら技術なりをイチから叩き込まれたという感じですね。
『NICO』の隣にあるレストランは僕の父が30年前に作ったもので、美容院が建っているこの敷地も以前は小売店をやっていました。その小売店を数年前に閉めてしまい、敷地が空いているということで、「それだったらやらしてもらおう」とういことで『NICO』をオープンしました。それが2009年のことになります。

『NICO』の方針についてお聞かせください。

髪質や毛流、骨格。お客様が持つ素材美をなるべく活かしたヘアデザインを心掛けています。お客様の求めるデザインとその素材を考えて施術を進めていくのですが、パーマやヘアカラーに関しては、必要がないと判断すれば無理に薦めることはありません。パーマやカラーはどんなにケアをしても多かれ少なかれ、髪を傷ませてしまうことにつながります。
髪の毛は傷んでしまえば終わりです。いくら美容院でトリートメントをしたとしても、一旦傷んだ髪は元に戻ることはありません。不必要なダメージを与えることは美容師として忍びなく思いますし、髪の状態をよく見て、その上でのデザインを心掛けています。
また、素材美を考慮した上でのカウンセリングは最も重要な工程です。お客様とはお互いの頭の中にあるイメージをすり合わせるのに、1時間くらい話し込んじゃったこともありましたね（苦笑）。お仕事での制限もありますし、その人の人となりをいくらかでも知った上で施術をおこなうようにしています。

お店の特徴についてお聞かせください。

お客様には「トトロの森みたい」と言われることがあります（笑）。あまり手入れが行き届いてない緑の中に、ポツンとたたずむ古びた木造の一軒家。それがどことなく「トトロの森」を連想させるんでしょうかね。当店ではリラクゼーションメニューである『オーガニック・アロマ・ヘッドスパ』をおこなっています。ご覧の通り、基本的には僕一人でお店を切り盛りしていますから、他人の目や音を気にすることなく極上のヘッドスパの心地をゆっくり味わっていただけるかと思います。
特にプライベートサロンを意識したという訳ではないんです。「トトロの森」も、僕が1人でやっていることも、偶然と言えば偶然のことで（苦笑）。
美容院へ訪れる時間というのは、そう頻繁にあることではありません。その限られた機会、緑に包まれた自分だけの時間を楽しんでいただければと思っています。

ホームケアのアドバイス等についてお聞かせください。

美容師の視点からご自宅でのスタイリング等のアドバイスもおこなわせていただいています。最近ではホームカラーをなさる方がかなり多くなってきました。ホームカラーには髪を傷めてしまうリスクはあるものの、お客様にとってそれ相応のメリットがあるものですので、ご自宅でおこなうホームケアと同様にちょっとしたアドバイスをさせていただいています。
何ヶ月かに1回、サロンでフルメンテナンスをおこない、その間のつなぎとしてご自分で染めておられる方が当店のお客様にもいらっしゃいます。次回ご来店いただけるまでの間、美しい髪を保つ。そのためのアドバイスにも力を入れていきたいと考えています。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

お客様の素材美を最大限に引き出すヘアデザインをご提供致します。ヘアスタイルに悩みを持っていらっしゃる方。自分のサロンがなかなか決まらないという方。悩みを抱えておられる方々の良き相談役として、皆様のお役に立つことが出来ればと考えています。どうぞお気軽にお越し下さい。

※上記記事は2011.7に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。