北見 圭司 院長(北見整形外科)のインタビュー

北見整形外科 北見 圭司 院長

北見整形外科 北見 圭司 院長 KEIJI KITAMI

大学卒業後、整形外科を専門に幅広い症例に携わる。大学病院で20年あまり経験を重ね、宮前区野川に開業。

この道を志したきっかけをお聞かせください。

私の実家は祖父の代から続く歯科医の家でした。当然、後継ぎということも視野に入れていたはずですが、祖父が「歯科は口の中しか診られない。どうせやるなら医者をやれ」と私が小さな頃から言っていたんですね。漠然としながらも、他に何かやりたい職業があったわけでもなく、後を継ぐべきか、医者になるべきかと迷っていました。ただ、田舎でしたから、周りの皆さんが「先生、先生」って感謝をして下さってですね、泥だらけの野菜を持ってきてくれたり、獲れた魚を持ってきてくれたりするんです。そんなこともみて育ちましたから「人に感謝される仕事が良いなぁ」とは思っていましたね。父は後を継いで欲しかったようですが、祖父の言葉は強くてですね、私の兄も私も医者になりました。受験の際は医学部も歯学部も受かっていましたから、父は最後まで歯科医師を勧めたかったようですが、やはり祖父の影響は大きくてですね、父は泣く泣く(笑)諦めて、私は医学部に進んだわけです。

整形外科医として20年以上のキャリアをお持ちの院長ですが、整形外科を専門にされた理由は?

父がやっていた歯科の分野は職人技のような部分がありまして、今でこそ歯科技工師さんがいらっしゃいますが当時は自分でやっていたんですね。祖父も父も手先が器用で、特に父は患者さんのインレー(歯の詰め物)に自分のサインを入れたいぐらいだと言うぐらい職人気質だったんです。なんとなく私にもそんなところがあるようでして、内科や外科といったお腹の柔らかいところを触るよりは、骨のような固いものを相手にしている方が安心感があったんです。骨折一つとっても、骨はレントゲンをみれば一発で治し方の上手い下手がわかるでしょう? ネジでもプレートでも、患部の仕上がりが後からでも解かってしまうのは整形外科ならではで、そのようなところを面白いなぁと思ったんです。

大学病院でのキャリアを築かれた院長が、開業に至った経緯をお聞かせ下さい。

勤務医生活の間は忙しすぎて、患者さんとゆっくり話している暇もないぐらいでした。だいたい、午前中に外来をやって午後は手術なんですが、手術は13:00や13:30からとなっていても、早く始めて欲しいものですからどんどん時間が前倒しされるんですね。外来も最後の患者さんが外来の終了時間どおりに終わるわけがありませんから、こちらは押せ押せという状態なんです。慌ただしく最後の患者さんを「じゃぁ」と送った足でそのまま手術室に飛び込み、一例目の手術と二例目の手術の合間、麻酔をかけている10分程度の間にカップラーメンをすするような生活でしたね。お昼御飯も20年近くまともに食べた覚えもありません。「このままどうなるんだろう」と思っている一方で、医局で部長を長く務めるようになると、経験の浅い後輩の指導に時間をさくことも増え、自分が考える患者さん中心の医療とどんどんかけ離れて行くんですね。本来の医療と違う部分の仕事が増える中で、自分の責任においての医療をやりたいと考えるようになったところ、この地で医療ビルを建設するお話を頂き、開業する決意を固めました。

診療の際に院長が心がけていることはなんでしょうか?

私にとって100人来た患者さんは1対100なんですが、患者さんにとっては1対1なんですね。慣れてくると患者さんに対してだれてきてしまうものですが、そのようなことがないようにいつも気にかけています。また、当然のことですが「きちんと診察をして、的確な診断が出来るように」、ですね。症状に対する治療法、アプローチの仕方は色々ありますが、どれがその患者さんにとって一番良いのかも考えています。整形外科は色々な治療の方法があり、リハビリもあれば、注射もある、飲み薬もあれば体操や運動療法もあります。どのような組み合わせで治療を行って行くことが患者さんのライフスタイルに合うのか、患者さんとご相談の上で方針を決めています。
スタッフに対しては、スタッフ同士の価値観を共有する為にミーティングを開いて情報交換を密にするようにしています。開業当時から細やかな気遣いの出来るスタッフ、患者さんに慕われるスタッフに恵まれましたので非常に良かったと思っています。

最後に院長から地域の皆様にメッセージをお願い致します。

最近思うのは、怪我をしてから我慢に我慢を重ね、一ヶ月ぐらい経った後に「治らないから来た」という患者さんが多いんですね。例えば捻挫して酷く腫れているにもかかわらず足を引きずりながら仕事をして、「休みが取れたからきました」なんて方もいるんですよ。腫れているだとか、皮下出血しているというのは何かしらの故障があるからそのようになっているわけです。自分の体を大切にして、もう少し時間を作って来て頂きたいですね。あまり時間が経ってしまうと、仮に骨折であれば、せっかく綺麗に戻せる骨折も戻しようがなくなってしまうんですよ。様子を見てたと言っても自己判断を過信しないで、一週間経ってもおかしいようなら来院して欲しいですね。また、保護者の方には、お子さんの怪我を思い込みで判断しないようにとお伝えしたいですね。ちょっとヒビが入った程度だったはずが、気付かずにしばらく放置してしまったために、完全に外れてしまったなんてこともあるんですよ。「私が我慢させちゃいました。骨折だなんて思わなくて」なんておっしゃるお母さんが2、3日に1人ぐらいはいます。付き指程度と思い込んでも、付き指をした後に内出血が出てると8割9割折れていることが多いので、お子さんがそんなに痛がらなくても注意して下さいね。
大人の方もお子さんも、無理な我慢をせずに、おかしいと思ったら診察を受けて下さい。

※上記記事は2011.9に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

北見整形外科 北見 圭司 院長

北見整形外科北見 圭司 院長 KEIJI KITAMI

北見整形外科 北見 圭司 院長 KEIJI KITAMI

  • 出身地: 新潟県
  • 趣味・特技: サイクリング
  • 好きな映画: グラディエーター
  • 好きな言葉・座右の銘: 小さくても創意を
  • 好きな音楽・アーティスト: ウエストコースト・ロック
  • 好きな場所・観光地: 京都

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