お子さんの指導を職業に選択されるようになった経緯について教えてください。
わたしのおばが、幼稚園・小学校受験の教室を経営しておりまして、その教室でお手伝いさせていただいたことがきっかけです。そこで小さなお子さんがひとつひとつ学びのステップを踏み、個性豊かな人格に育っていく過程をうれしく感じました。その先も幼児教育に携わっていこうと決意し、現在はこちらで校長を務めさせていただいております。出身は美術大学ですので、カリキュラムの中では絵も教えさせていただいています。
教室の特長や指導の方針について教えてください。
『富士チャイルドアカデミー』は1977年に幼児英才教室として発足しました。この鷺沼校もほぼ同時期に開業しています。田園都市線沿線には教育熱心な方が多くお住まいになっており、ご両親様のニーズにお応えするスクールとして古くからご愛顧いただいています。教育方針は「ほめる・認める・励ます」です。当スクールにお子様を入学させる目的はやはり有名校合格で、こうしたご希望をかなえるのがわたしたちの一番の役割です。情報収集のためのネットワークを多岐に渡ってご用意しておりますので、ご両親様には最新で良質の情報を豊富にご提供することができます。また各校の受験に照準を合わせた的確な指導により、毎年多くのお子様が合格の喜びを手にしています。 一方で大切なことは、受験後のご両親様とお子様の「こころのサポート」です。たとえ試験が不合格であっても、「試験をやってよかった。ここで学ばせてよかった」と思っていただけるようなサービスをしたいと思っております。今も昔も幼児期に大切なものは「こころの教育」であり、合格・不合格を問わず、受験をした経験がその後の人生にプラスに作用するのであれば、これほどうれしいことはありません。
小学校受験のキー・ポイントについて教えてください。
中学、高校、大学の受験と異なり、小学校受験は「地頭」を伸ばす学習が必要です。さらに上の学校に進むには一定のカリキュラムを終えて受験しますが、小学校は基礎的な能力が試されるところが難しいですね。2--5歳のお子さんには、知識をつめこむような指導はできません。まず覚える、考える….といった頭の働きが理解できませんから、これがどういうことなのか、指導することから始めます。教材やゲームを用いながら、さまざまな頭の使い方をご提案いたします。そして基礎的な教養として、花の名前や歌、季節の行事などをお教えしていきます。受験では、学力・知力以外にお子様の生活習慣も評価されます。いわゆる「しつけ」の部分ですが、こうした社会生活のルールは、お子様にはまだまだ理屈で把握することができません。その場合は情動に訴えたり、自分にとって損になることなどをお伝えし、ご納得していただくようにしています。
受験へのモチベーションですが、試験が近くなると「あの学校に絶対行きたい。だからがんばる」というように強くなります。すると試験の後に、ご両親様、そしてわたしたちがどのように「心のサポート」をするかが肝要になります。まずご両親様には、(1)それぞれのご家族の状況にもよりますが合否はすべての受験が終わるまで伝えない、(2)最終的に残った選択肢がお子様にとって最高のものであるようにする、(3)ほかのお子様と比べるなどしてお子様を責めない….といったことをご指導しています。お子様には、「2番目に受けた○○という学校が、来てほしいって言っているよ」という伝え方をすれば、「へー、そうなんだ」と思わせることができます。そして制服や道具を揃えいよいよ登校…と準備をしていく過程で、お子様のモチベーションはさらに上がっていくのです。お子様に受験をさせたのはご両親様ですので、その責任はご両親様がきちんと受け止め、お子様を幸せな小学校生活に導いていただくようお願いしています。
そのほかにご両親様にはどのような指導をされていますか。
各校の面接官が知りたいことは、ご両親様が学校を理解し教育理念に賛同しているかどうかです。そしてお子様をどのようにお育てになってきたかを重視されます。ですので、休日のお父様の過ごし方など、お子様が日常でご両親様とどのような関わり方をされてきたかを面接でお聞きします。まず人間としての資質と、ほかの父兄の皆様とお付き合いしていくのに適しているかどうか、といったことも判断材料となります。学校についての理解ですが、まず「人育て」の理念がおわかりになっているかどうかです。私立学校にはそれぞれ創設者の建学の精神があり、そこを理解しているかが重要なのです。偏差値や大学入学実績など世間的に評価・認識されていることと、その学校の理念とは違うこともあります。また国公立大学付属校は、大学の教育学部の実験校としての性質があることもご理解いただきたいと思います。
指導の際心がけていることと、地域のみなさまへのメッセージをお願いします。
一番心がけておりますのは「よいところを見つけて認め、伸ばし、ほめる」ことです。一方で集団の中でいう社会のルールが守れない場合には、それぞれのお子様の「こころの成長」に合わせたご指導をいたします。よくご両親様からは、「うちの子を人前でしからないでほしい」、あるいは「ほかのお子さんには注意するのにうちの子にはしませんね」といったご要望をお受けします。しかしお子様それぞれで「こころの成長」が異なりますから指導が均一ではないことを理解していただけたらと思います。地域の皆様にお伝えしたいことは、田園都市線沿線地域が子育てに適した恵まれた環境であることです。近年はこの沿線によい学校が次々に開校されていますので、ご入学についてご検討いただけるとうれしいと思います。
※上記記事は2014.2に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。
富士チャイルドアカデミー 前 宏美 校長 HIROMI MAE
- 好きな映画: 「ローマ人の物語」(塩野夏生、1982-2006年新潮社刊)
- 好きな言葉・座右の銘: 一歩前へ
- 好きな音楽・アーティスト: クラシック
- 好きな場所・観光地: 自然が豊かなところ
- 生年月日: 1955年3月3日
- 出身地: 東京都
- 血液型: O型
- 好きな本・愛読書: 音楽鑑賞