宇治田 愛 代表（A-jit Vocal Lesson（エージット ボーカル レッスン）)のインタビュー

大好きな音楽をいかし、自分が楽しめる仕事を

もともとは歌手になることを目指していて、大阪にある音楽専門学校（ヤマハ音楽院）に通っていました。そこでいろいろな楽器を演奏する仲間と出会い、バンドを結成して、大阪方面を中心にバンド活動をするようになったんです。

と言ってもバンドだけで生活していくのは難しく、ほかにも何か仕事をしなくてはならなくて……。自分が楽しいと思えること、大好きな音楽をいかせる仕事をしたいと考えて、以前にすこし経験していた講師の仕事をすることにしたのです。ちょうど友人が大手スクールのインストラクターをしていたこともあり、私もそちらでお世話になりながら経験を重ねていきました。

駅チカの好立地にボーカル教室をオープン

『A-jit Vocal Lesson』のスタートは2017年でした。私はあまり電車通勤が得意ではなくて（笑）自宅の近くに教室を開きたいな……と考えていたところ、ご縁があったのがこの場所でした。ここは賃貸マンションの一室ですが、教室のオープンにご理解いただくことができ、さらに知り合いの内装業の方に防音工事などもお願いできたのでラッキーでした。

生徒さんの年齢層は小学3年生のお子さんから60歳代まで幅広くて、最近は30～50歳くらいの方からお問い合わせいただくことが増えているでしょうか。歌や音楽を始めたいと思うきっかけはさまざまですが、歌うことは体全体を使いますから健康にもとてもいいんですよ（笑）。ボーカル教室というと少々ハードルが高いイメージがあるかもしれませんが、すこしでも興味をお持ちなら、ぜひ最初の一歩を踏み出していただきたいと思います。

生徒さんと目標を共有し、一人ひとりに寄り添っていく

クラシックやロックなど音楽にさまざまなジャンルがあるように、生徒さんが「歌を習いたい」と思うきっかけもさまざまです。そのため、レッスンを始める前には必ず、生徒さんが「どうなりたいのか」「何を求めているのか」を確認して、お互いに目標を共有するようにしています。

たとえば一口に「カッコよく歌いたい」と言っても、理想的なカッコよさは一人ひとり違うもの。また、今のレベルから理想のゴールに向かっていく道筋も人それぞれですから、どのルートを選んで進んでいくのかといったことも共有する必要があります。まずはお互いに目標をすり合わせたうえで現状を確認し、目標に近づくためにはどうしたらいいかを一緒に考えていく……。そんなふうに「目標」や「手段」を言葉にして共有することを大事にしています。教室のスタイルとしても、私たち講師が生徒さんを「引っぱっていく」というより、「寄り添っていく」という表現のほうが近いかも知れません。

リラックスした雰囲気の中で、楽しみながら自分らしく

目標を共有するのはもちろんですが、生徒さんとは音楽とは直接関係ないこともたくさんお話をします。音楽を楽しみながら自分らしく歌えるように、何よりもリラックスした雰囲気づくりを心がけています。かつては私もレッスン（習い事）で先生に厳しく指導され、怒られないように頑張っていた時期もありました。そのことが結果として自分を高めてくれた部分もありましたが、緊張してばかりでは十分に声が出ませんから。生徒さんのその日の気分やコンディションに合わせて、心も体もほぐしてあげたいなと思っています。

私たちは一人ひとり、その人だけの「何か」を持っているものです。たとえ同じ歌を歌ったとしても、「ありがとう」のニュアンスは一人ひとり違ってきますし、「さよなら」という言葉にはその人だけのカラーが出てくるものです。私は生徒さん一人ひとりの中にある「アーティストの素養」のようなものを引き出したいと考えていて、毎回のレッスンの中で小さな「気付き」を一緒に発見できたらいいなと思っています。

地域のみなさんへメッセージ

生徒さんに対してはこちらから「こうしなさい」というのではなく「どう思いますか？」と問いかけ、ご一緒に考えながらレッスンを進めるようにしています。またお教室でのレッスンに加えて、プロとして活躍するアーティストによる生演奏をバックに歌う発表会やレコーディングなどを行っていることも特徴です。今は主に、たまプラーザにある「三丁目カフェ」さんで発表会をさせて頂いています。今後は都内のライブハウスなどを貸し切って本格的な照明やフルバンドを入れて開催したいですね（笑）。

最近は生きにくい世の中になったと言いますか、細かいことを気にし過ぎて、社会全体に堅苦しいムードが漂っているように感じています。なんとなく心も体も疲弊しているなか、歌を通して自分に自信を持ち、たくさんの人に元気になっていただきたいというのが私の願いです。「歌を習うのは初めてだから」「歌は苦手だから」と遠慮なさる必要はありません。「歌うことが好き」「歌ってみたい」というお気持ちが少しでもあるなら、ぜひ一度教室に遊びにいらしてください。

※上記記事は2023年3月に取材したものです。
時間の経過による変化がございます事をご了承ください。