加藤 玲子 代表（美容室サロン・ド・レイ)のインタビュー

この道を志したきっかけや現在に至るまでの経緯をお聞かせください。

私は結婚してから美容師になったんです。OL時代の社内結婚で、主人の母が溝の口で美容室を経営してらしたんです。『ビューティーサロン フランセ』というお店で溝の口店は駅前の再開発まで営業しておりました。母曰く、「家業が忙しかったら嫁が手伝うのは当たり前でしょ」という具合で（苦笑）。当初は泣く泣く美容師の道へという感じでしたね。

関東美容学校に入ったのが25歳のときのことです。勉強を重ねていくうちに「美容師とは難しいものだな」とつくづく思いました。美容師ってこれで良しということがないんです。常に勉強して自分を磨いてないとすぐに置いていかれてしまいます。最初のうちは、「これならOLをやっていたほうがラクかもしれない」とも思っていました（笑）。
学校を卒業するのと妊娠するのが重なり、すんなりとはいかない事もありましたが、かれこれ、もう30年以上美容師としてのキャリアを積んできたことになります。最初の頃は子供を抱えて出勤して、主人の母が後ろの控え室でおんぶして・・・なんてこともありましたね（笑）。
※再開発に伴い宮前平店に勤務が変わりそのお店も建替えで閉店、 2008年の9月23日に『サロン・ド・レイ』はオープンしました。

施術の際に心掛けていることをお聞かせください。

お客様は本質的には変わりたいものなんですよね。それはお若い方でもご年配の方でも共通することです。だけどそれと同時に変えたくない部分もまた持っていらっしゃいます。変えたいとは思っていても、急激な変化までは望まないというところでしょうか。お客様のお気持ちを汲み取ることが肝心です。そこは長年の経験が役に立っている部分かと思います。決して無理にお薦めするのではなく、私を知ってもらった上で、先を見据えた提案をしていく姿勢が大事なところだと思います。
パーマを例にとると大体3ヶ月に1度、その間、90日あるわけです。来店された日を除き、残りの89日はご自分でセットをし、手入れをしていただかなくてはいけません。お店でお作りした時が1番ではなく、ご自分で手入れをしやすいスタイルの提案をしていかなければと考えています。90分の1、残りの89日を大事にという発想です。

SP（システムプロフェッショナル）についてお聞かせください。

当店ではウエラ製品のお取り扱いをしています。SP（システムプロフェッショナル）はウエラ125年の歳月の粋を集めた製品です。SPは髪自体のケアはもとより、スキャルプ＝頭皮のケアにより重点を置いているのが特徴です。目に見える部分である髪の毛はもちろん大事ですが、それ以前に頭皮がしっかりしてなければ健康で美しい髪とはなりません。
私の主人は28年間、ウエラに勤めておりました。主人の折々のアドバイスを取り入れつつ、お客様の髪全体の状態に合わせた製品を使用しています。

お客様からは様々なリクエストがあるようですが？

109で働いている若いお客様が「ウィッグをカットしてもらえまんか」と来られたことがあります。この場合のウィッグはボリューム感を出すための“載せる”タイプではなく、完全に“被る”タイプのものでした。ウィッグをお被りになったままの状態でカットするのは結構骨の折れる仕事です（苦笑）。なにしろウィッグは頭皮と違い、動いてしまうものですからね。
聞けば色々な美容室を廻ったものの、全て断られたとか。全てのリクエストに必ずしも添えられるわけではありませんが、当店では出来うる限りのことを全て試していきたいと思っております。

最後に地域の皆様へメッセージをお願いします。

美容師さんも若い人が増えて、それ自体は非常に良い事だと思うんです。ですが、ご年配のお客様の中にはそうしたお店には行きづらいという方もいらっしゃると思うんですね。そういった方々とは世代が一緒と言いますと怒られてしまいますが（苦笑）、気軽にご来店いただき、無理のないお付き合いをさせていただければと思います。あ、もちろん、若いお客様も大歓迎ですよ（笑）。『サロン・ド・レイ』のレイには光り輝くという意味があります。いつまでも輝く美しさを皆様と一緒に追求していければと思っております。どうぞお気軽にお越し下さい。

※上記記事は2011.5に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。