田島 正純 院長(たじま動物病院)のインタビュー

たじま動物病院 田島 正純 院長

たじま動物病院 田島 正純 院長 MASAZUMI TAJIMA

大学卒業後、宮前区の動物病院で診療をはじめる。3年にわたって経験を重ねた後、山口県、埼玉県の動物病院で院長を務め、愛着のある地元に開業。

獣医師を志されたきっかけとこちらで開業された経緯について教えてください。

私は宮前区で生まれ育ちました。慣れ親しんだ場所で開業したいと思っていました。中学生のときに飼っていた犬が高齢になったとき、「自分で治せたらいいのに」と思ったことが最初のきっかけかもしれません。元々動物が好きでした。次に本格的に獣医師になることを意識したのは、高校3年のときです。わたしは日本大学の付属高校に通っていたのですが、3年のとき大学に内部進学するためのテストを受けました。日本大学は総合大学でしたので、本当にさまざまな選択肢があったのですが、運よく獣医学科があったので受験し入学することができました。両親は普通の勤め人でしたが、祖父は医師でした。父が6歳のときに祖父が亡くなったので、わたしは会うことはできなかったのですが、何か運命めいたものを感じました。大学卒業後は、すぐに臨床実習に入りました。まずは、同じ宮前区にある「森安動物病院」で3年間修行をさせていただきました。院長の森安先生は、卒業したばかりのわたしを親身に指導してくださり、一生役に立つスキルを身につけてくださいました。その後は山口県下関、埼玉県越谷の動物病院でそれぞれ院長として雇用していただき、病院経営のノウハウも習得できました。

診療内容と診療方針について教えてください。

わたしはこの地域の動物の「ホームドクター」としてお世話をさせていただいています。ご自身の専門を持ち「スペシャリスト」として活躍する先生方もいらっしゃいますが、わたしはその反対の「ジェネラリスト」としてどのような症例にも対応させていただいています。診療方針ですが、内科、耳鼻科、眼科などを問わずさまざまな病気を治せるよう情報収集を重ね技術を磨く一方で、自分にとって難しい治療を即座に見分け、必要に応じて専門の先生にお願いしています。こうして迅速かつ的確に「住み分け」を行うことで、治療も早くスムースに進みます。月一回は勉強会に通い、難しい症例はほかの先生と情報共有してアドバイスをちょうだいしています。
もうひとつ重要なことは、治療の判断材料になるエヴィデンス(証拠)を揃えることです。症状や治療法を推測で判断せず、論文や各種資料、データを取り寄せて治療方針を決めます。たとえば、「がん」と診断した場合でも、患部を切除したほうがよいときとそうでないときがあります。自分も患者さんも納得して治療を進めるためには、その裏づけとなる資料を徹底的に調べるのです。
各種検査につきましては、すぐに実行に移すのではなく、まず飼い主さんへのご説明から入ります。検査の内容や費用面で飼い主さんからのご承諾が必要となるためです。飼い主さんも実施の是非を、ダイレクトにおっしゃる方とそうでない方がいらっしゃいますので、何をお求めかはある程度汲み取って差し上げなければなりません。

ペットの健康を飼い主さん自らが診断するポイントと、ペット・ドックについて詳しく教えてください。

おうちでできる簡単な健康チェックは、(1)元気かどうか(毛づやが悪くないか、口臭がないか、やせていないか)、(2)食欲(食べる量は適量か、食べづらさはないか、水を飲む量が多すぎないか)、(3)ウンチ(硬さ、下痢が続いていないかどうか)、(4)オシッコ(量、色、におい)の4項目をよく観察することです。犬の場合はこれに、散歩や運動を嫌がらないか、すぐに息切れをしないかといった項目が加わります。猫につきましては、腎不全にかかりやすいという問題がありますので、特に異常がなくても年1回は相談にお越しください。ペット・ドックは、人間と同じように全身を包括的にチェックするものです。望ましいのは子猫のころから年に1回受診させることですが、2~3歳くらいからでも大丈夫です。3歳は人間の年齢で言えば30歳くらいですから、わたしたちがだいたいその年頃にチェックを始めるのと同じ感覚で考えていただきたいと思います。6歳(人間なら40歳)までであれば、問診や血液検査などを中心とした軽いコースがあります。7歳(人間なら45歳)くらいになってきますと、動物にも「老い」が来ますので、人間ドックと同様のフルスペックのコースを受けていただくとよいでしょう。重い病気が見つかる前に検査をしておくと、何かと安心です。また、先に健康なときのデータをとっておくと、以降検査を行ったときにデータを比較して見ることができるようになりますから、便利です。

診療で心がけていることについて教えてください。

まず不安なお気持ちで動物を連れてお見えになる飼い主さんに、安心して帰宅していただくことです。そのためには病状と治療法をご納得いただくまで丁寧にご説明し、複数の治療法を選択肢としてご提示します。わたしは、飼い主さんがその中のどれをお選びいただいても「正解」であると考えます。ですので、選択肢に序列はつけず同列のものとしてご提示します。次に自覚症状を訴えることができない動物に対し、声をかけながらやさしくさわるようにしています。基本的に小児科と同じアプローチで診療に当たるべきだと考えますので、怖がらせないことを重視しています。 もうひとつは手術など大きな作業を行うときに、助手としてサポートしてくれる方と「ダブル・チェック体制」で臨むことです。ふだんは看護士をする妻が助手を引き受けてくれています。特に難しい手術のときは、その役割が重要になってきます。専門性の高い手術は仲間の獣医師の応援を頼みますし、反対にわたしが応援で助手を務めさせていただくこともあります。

最後に地域の皆様にメッセージをお願いします。

わたしは若輩者ですので、飼い主さんにはご不安なこともあるかもしれません。しかし、誠意を持ってひとつずつ一所懸命やらせていただきたいと思います。飼い主さんが安心して一切を任せられる「ホームドクター」として、みなさんの大切なペットのお世話させていただく所存です。近隣には提携病院の「日本動物高度医療センター」(川崎市高津区久地2-5-8)もありますので、難しい場合も協力しあいながらご納得の行く治療をいたします。子犬や子猫を引き受けられた場合も、与えるえさや健康管理、ケアの方法など何でもご相談いただきたいと思います。
※上記記事は2013.12に取材したものです。
情報時間の経過による変化などがございます事をご了承ください。

たじま動物病院 田島 正純 院長

たじま動物病院田島 正純 院長 MASAZUMI TAJIMA

たじま動物病院 田島 正純 院長 MASAZUMI TAJIMA

  • 出身地: 神奈川県
  • 趣味・特技: 野球観戦。巨人軍を応援しています。
  • 好きな本・愛読書: 伊坂幸太郎の小説 特に「砂漠」(2010年7月 新潮文庫)
  • 好きな映画: 「踊る大捜査線」シリーズ(フジテレビジョン/東宝)
  • 好きな言葉・座右の銘: 初心忘れるべからず
  • 好きな音楽・アーティスト: J-Pop 特に槇原 敬之
  • 好きな場所・観光地: 温泉 箱根や伊豆まで行きたいのですが、忙しいので最近はスーパー銭湯に行ってます。

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