上野 龍 院長（宮前平脳神経外科クリニック)のインタビュー

脳の世界に魅了されて脳神経外科医に

ありきたりな理由かもしれませんが、小学生のころに読んだ『ブラック・ジャック』に影響を受けて、外科で手術のできる医師になりたいなと思うようになりました。最初は泌尿器科など、その科で完結できるようなところがいいかなと考えていましたが、研修医のときに顕微鏡越しに見た脳がすごくきれいで。そこに感動したのが、まず一つ。加えて、いまだに分かっていない脳の機能もたくさんありますが、こういう病気だと脳のこういうところに症状が出る、というようにロジカルな面もあり、そこに興味を持ち脳神経外科医の道を進むことに決めました。

早期発見、予防の大切さから開院に

手術漬けの毎日を送るなか、ふとこの生活をいつまで続けられるのかなと思ったのが独立のきっかけになりました。手術する前の段階、もうちょっと早く見つけていれば違った結果になったのかなという方もたくさん診てきましたし、早期発見、予防することでもっと多くの形で患者を救うことができるんじゃないかと。また、同時に一番の恩師が若くして急逝したこともあり、今後どういう風に医師として生きていけばいいのか、と考えたことも一つあったと思います。始めるなら早い方がいいだろうと23年1月に「宮前平脳神経外科クリニック」を開院しました。

大病院並みの高度な設備を完備

開業して感じたのは、頭痛に悩んでいらっしゃる方が想像以上に多かったこと。市販薬で治るなら、と結構我慢してしまう方も多いですが、頭痛があるだけで生活の質が下がってしまうので、気軽にご相談に来ていただきたいです。特に気をつけていただきたいのは、今までの頭痛とは痛み方が違うものや急激に起こる頭痛。二次性頭痛と言われるものですが、頭のなかで何かが起こっている可能性がありますので、命に関わったり、後遺症が残ったりすることも。その場合は早期発見が特に重要になってきますので、少しでも不安があれば早めに来ていただきたいなと思っています。また、私自身、もともと脳血管症、脳卒中や動脈瘤、くも膜下出血などの手術を専門にしていましたので、慢性期の脳卒中の方などもご相談ください。大きな病院と同じレベルの設備、MRIも用意もしています。また、救急外来や在宅医療に携わっていた経験もありますので、どこの科にかかっていいのか分からないような症状でもまずは来院いただけたらと思っています。必要があれば専門の病院をご紹介します。

当日の検査、結果説明で不安を取り除く

患者さんは皆さん、不安を抱えていらっしゃると思いますので話し方や伝え方、言葉遣いなどには気をつけるようにしています。また、不安を取り除きたいという気持ちから、その日のうちに検査、説明、治療までをスムーズに行えるよう心がけています。予約状況にもよりますが、できる限りMRIを撮っての結果説明まで、即日でお伝えしているのが当院の特徴です。脳神経外科は、大学病院に行かないと外来受診ができないと思われがちですが、近隣の方が気軽に来られるように、というのが開院の際のコンセプトの一つでもあったので、治療のスムーズさには力を入れています。

当院なら間違いないと思っていただけるように

頭痛や物忘れ、手足のしびれや耳鳴りなど、そういった症状があるとき、まずは当院にかかれば間違いない、といったような認識を近隣の方に持っていただけるクリニックにしたいなと思っています。耳鼻科などと重なる症状もありますが、どの科に行けばいいのか、悩んだときにも一度来ていただければ対応できますので、ご自身では取るにたらないことと思われるような症状でも大丈夫です。駅前かつ幹線道路沿いでアクセスもしやすいですし、スタッフ含めて親しみやすい雰囲気を心がけています。待合室も比較的広いスペースですし、頭痛があると光に敏感になるので間接照明や天窓のような照明を使い、待っていただく間も落ち着いて過ごしていただけるようにしています。ホームページで細かくご案内していますが、キャッシュレスにも対応していますので、忙しい方にも来ていただきやすいクリニックかと思います。

※上記記事は2023年2月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。