千田 慶子 代表（レンタルスペース＆民泊 B&B穏on)のインタビュー

特別支援学校の教員を経て、B&B施設のオーナーに

私は結婚して2人の娘を育て上げたのち、44歳から60歳まで特別支援学校の教員として働いていました。そのときの同僚がNPO法人を設立し、卒業生たちのための施設をつくることになり、私はグループホームの立ち上げをお手伝いすることになったんですね。そしてそれが一段落したとき、「さて次はなにをしようか」と考えて。B＆B……日本でいう「民泊」をやってみたいと思ったんです。これからの人生を考えたとき「自分の時間を自分で自由に組み立てられる」仕事をしたいと思いましたし、毎日の家事労働の延長として多少大変になるくらい問題ないだろうと思ったんです（笑）。

B＆BとはBed & Breakfastのことをいい、文字どおりベッドと朝食をセットにした簡単な宿泊施設を指します。B&Bはヨーロッパのほうではごく一般的なもので、ホテルと違ってアットホームなところが魅力といえます。いろいろと候補地を探して、ようやくこの場所に巡り合ったものの、あいにく当時は日本における民泊新法（住宅宿泊事業法）が成立するかどうかという段階でした。国の動向を見極めているうち、気が付けばどんどん時間が過ぎてしまい、「施設を遊ばせておくわけにはいかない」と始めたのがスペースレンタルでした。

ワークショップやサークルなど、楽しみ方は自由自在

スペースを時間貸しするサービスを始めたとはいえ、すぐにお客様がやって来るわけではありません。最初は「ここにこんな場所がありますよ」というのを地域の方に知っていただくために、ハロウィンやクリスマスなどに楽しいイベントを開いて、認知を広めていきました。ネイティブスピーカーによる簡単な英語レッスンがあったり、似顔絵アーティストさんが来てくださったり、私が指導者の資格をもっている木目込み人形のワークショップを行ったり。こうしたレッスンは、現在もこちらのレンタルスペースにて講座が開講されています。

私が木目込み人形と出あったのは長女を出産する少し前のことでした。とにかくその愛らしさに魅了されて大好きになって（笑）。上賀茂神社から木目込人形の正統伝承者として唯一認定を受けている真多呂人形学院に入門し、教授の看板をいただいています。レンタルスペースではこうした各種レッスンやお教室が開催されているほか、会議や様々な学びの場となることがあったり、ママ友や親族同士が集まってパーティーが開催されることがあったり。施設内全面禁煙・原状回復・アダルトNGというルールさえ守ってくださったら使い方は自由ですから、ぜひお気軽にお問い合わせいただきたいと思います。

キッチン・冷蔵庫完備。食器類の貸し出しもOK！

最初にこちらの物件を契約したのが年末の12月、それから民泊新法などの関係でなかなか身動きが取れず、半年以上もこの施設を遊ばせているような状態でした。そんな私を見かねた娘からアイデアをもらって始めたスペースレンタルですが、実はこのサービスは今の時代にとてもマッチしていると感じます。たとえば最近では当たり前になったリモート面接。室内にはWi-Fiが飛んでいますし、ホワイトボードを背景にしていただくことも可能です。また、ちょっとした打ち合わせをしたいけれど「大人数でファミレスを占領するのは気が引ける……」といったときにも便利にご利用いただけると思います。

また、もともとB&Bとして展開することを目的にしていましたから、1階にはキッチンや冷蔵庫も完備しています。たとえば、お料理教室が始まる前に冷蔵庫にビールを冷やしておき、でき上がった料理を大皿に並べてみんなで楽しむのもOKです。使ったお皿は洗って原状回復していただければ大丈夫（笑）。飲食物の持ち込みも自由ですから、気軽な集まりにもぜひご利用いただきたいですね。実際に、お客様からは「なかなかこんな場所はないから助かった」と喜んでいただくことが多いんですよ。

不自由なく、少しでも快適にお過ごしいただきたい

コロナ前はB&Bのほうも多くのゲストで賑わっていました。世界中どこからでもB&B施設を検索できる「airbnb」というサイトで「スーパーホスト」に認定されていたこともあって、外国人のゲストがとても多かったんです。その後コロナ禍に入ってからは宿泊客数も落ち着いてしまいましたが、親類の結婚式で地方から出てくる方がいらしたり、帰国した方が新居の準備が整うまでしばらく滞在なさったり……。客室は1部屋に最大3名様までご利用いただけますので、ビジネスホテルの一室に入るのが難しい場合や、ビジネスホテルでは味気ないと思われる方々などにご支持いただいています。

スペースレンタルをご利用くださる方も、B&Bをご利用になる方も、ゲストのみなさんには不自由なく、快適にお過ごしいただきたいと思っています。たとえば「明日泊まりたいんですけど」と急に言われたら、お布団の準備に朝食の準備に「大変だな」という気持ちが芽生えないわけではありません。でも、その方のお役に立てるなら頑張れるといいますか、私としては誰かのお役に立てることが何より嬉しいんですね。ですから「これがあったら……」といった心残りがないように、タオル1本、ボールペン1本と、みなさんのニーズを先回りするようなサービスを心がけています。

地域のみなさんへメッセージ

『レンタルスペース＆民泊 B&B穏on』が本格始動する前、地域のみなさんへのPRとして「笑顔が集まるハロウィンパーティー」などと題したイベントを行っていました。今思うとこの「笑顔が集まる」というワードがこの建物を象徴しているかなと思います。ここに集うゲストのみなさんが「ゆったりできました」「楽しく過ごせました」と言ってくださることが私の喜びです。これからもみなさんに笑顔でお帰りいただけるように、幸せな時間と空間をご提供したいと思います。お時間が合えば施設の下見も無料で承っておりますので、お気軽にお声かけください。

※上記記事は2023年6月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。