松田 久仁子 先生(オーガニックパン教室)のインタビュー

オーガニックパン教室 松田 久仁子 先生

オーガニックパン教室 松田 久仁子 先生 KUNIKO MATSUDA

2009年より大手パンスクールに所属、パン講師のキャリアをスタートする。その後、独立。「オーガニックパン教室」主催。オンライン販売、シュトーレン専門店「Yokohama Stollen Club」設立。横浜市内施設においてもパン教室を開催している。

母と一緒にパン作り。子育てがきっかけで復活

私の今は亡き母はよくパンを作っていました。子供のころはパン作りはとても身近でした。それから、私も母も忙しくなって、ずっとパンを作らなくなったのですが、娘が幼稚園に入ったときに友だちから「パン教室に一緒に通わない?」って誘われたんです。そこで小さいときにやったことが思い出されて「そういえばパンは作ったことあるし、やってみたいな」と思って行ってみることにしました。そのときはまだ下の息子が生後4ヶ月でしたが、連れて行っても大丈夫と聞いたので、息子も連れて行きました。それからパン教室に通うようになり、気がつくと4年が経ちました。教室は大手のパンスクールだったので、私は初級から上級コースまで全て終わった頃でした。コースを修了すると、スクールのパン講師になれるテストが受けられると聞いたので、特に何の抵抗もなく受けようと思いました。4ヶ月だった息子がちょうど幼稚園に入るタイミングだったので、幼稚園の親睦会のときに、資格が取れたらパン教室を始めるかもしれないとみんなに伝えたんですね。そうしたら、「ぜひ習いたい」って言ってくれたんです。それが、とても嬉しくて。その後試験を受け、資格が取れたのですぐに自宅でパン教室を開きました。それが2009年でした。自宅でパン教室を続けて、コロナが始まるまで13年続けていました。コロナが明けてからは、自宅ではなく、鷺沼駅のレンタルキッチン「B&B穏on」さんで、再びパン教室を始めました。また、もう1つの夢だった食品衛生責任者の資格を取得し、オンライン販売で材料にこだわった月替わりのシュトーレン専門店「Yokohama Stollen Club」もオープンし、自分らしく再始動しています。

「スペルト小麦」とは?オーガニックへのこだわり

講師の資格を取ったあとは、ずっと大手のスクールカリキュラムに沿ったパン作りをしていました。作るのは、あんぱんや食パン、クリームパン、メロンパンなどのパンを作っていました。講師を始めたときは、カリキュラムを教えるのに必死で、自分のオリジナルレシピなんて全然考えられなかったです。それから、私の子どもも大きくなって、私も年齢を重ねるようになると、毎日甘いパンをいくつも食べられなくなってきました。子どもも年頃になり、カロリーを気にし始めましたし、私も生活習慣病など健康を意識するようになりましたから。それで、「健康にいい、毎日食べられるパンはないかな」と思い、色々調べた結果、「スペルト小麦」にたどり着きました。いま、市場で出回っている私たちが口にしている小麦は、品種改良された小麦です。「スペルト小麦」は品種改良される前の小麦の原種です。この小麦は、通常の小麦と違って、脱穀後の栄養が、炭水化物だけでなくリジン、スレオニン、メチオニンなどの必須アミノ酸も含んでいます。また、低GI食品なので、食後の血糖値が上がりにくくて、食後も眠くなりづらい。試しにスペルト小麦を使ってパンを作ってみたら、噛めば噛むほど味が出て、とっても美味しかったんです。飽きのこない自然な味でした。またスペルト小麦は、生地をこねる時間も短く5分位で済みます。作り始めてから焼けるまで、大体1時間半ぐらいで出来るので、「ちょっと作ってみようかな」という気持ちにさせてくれます。「これだ!」と思い、今ではスペルト小麦のパンにはまっています。ただ、素晴らしい小麦なのですが、パンを作るときは少々扱いづらいところがあります。生地がべたつき、形を整えるのが難しいのです。そして、通常の小麦より少し値段が割高です。だからといって、スペルト小麦を使わないのはもったいない。体に良い小麦を使って、手軽にパン作りをしてほしいので、こちらのオーガニックパン教室ではスペルト小麦と強力粉を混ぜたレシピを考案しました。その方が作るのも、材料を買うのも気軽になれると思いました。健康にも良くて、味も美味しいスペルト小麦をぜひ、もっと多くの方々へ、こちらの教室を通して広めたいなと思っています。

生徒さんがほっと一息つける演出も

皆さん、忙しい中いらしていただくので、毎回生徒さんたちを迎えるときは「ここに来ていただくことが本当に有り難い!」と思っています。みなさん、子育てだったり、介護だったり、日々忙しくてしていらっしゃる方ばかりなんですね。それなのに、10時半開始までに、みなさん、家事など色々なことを一生懸命済ませてから来てくださるんです。なので、教室に着いたときは少しおつかれ気味の方もいらしたりして(笑)。でもこれは、オンラインメディアで読んだのですが、ベイキングってストレス解消させるそうなんです。パン作りをしている間は脳の色々な部分を使うので、かえって疲れが取れるというデータが出ているとのことでした。確かに、教室で一緒にパンを作っていると、みなさんの顔がどんどん元気になっていくな、と毎回感じます。一緒にパンを作ることで、みなさんのストレスも発散できているなと感じますね。私も出来る限り、皆さんの疲れを癒して差し上げられたらと思い、おもてなしの気持ちも大事にしています。焼きあがったパンを食べるときには、私が家で焼いたプラスアルファのパンやサラダ、コーヒーなどを用意して、バランスよく食べていただくようこだわっています。パンを通して、皆さんが元気になってくれたり、喜んでくれたりするように、これからも続けていきたいと思っています。

大人になっても覚えている手作りの味

私が大手のパンスクールに所属し家でレッスンをしていた頃、ある生徒さんが、作ったパンを食べて「このパン、子どもの頃お母さんが作ってくれた」っておっしゃったんです。実は、その方のお母様も同じスクールでパンを習っていたのです。その時作ったパンは、スクールの創業当初から35年以上続くレシピのものでした。その方はお母さんが作ってくれた食べたパンを覚えていたんです。やっぱり小さな時に食べたお母さんの味って覚えているんだなあって感動しました。お母さんが習って作ったパンを、今度は大きくなったお子さんが同じパンを作る。しかも、同じ味だということにも気が付いて。なんか凄いなって思いました。他のお母さんにも聞いてみたのですが、やっぱり手作りのパンの味は子どもが覚えていてくれるっておっしゃる方が多いですね。一緒にパンを作った思い出も覚えているお子さんも多いらしくて。一緒に作って、食べて美味しかった記憶は、子どもの心に深く刻まれるのだと思います。

お気軽に、まずは体験から

パン教室って聞くと、ハードルが高かったりとか、自分は不器用だから難しそうと思われる方もいらしゃるかもしれませんが、こちらのパン教室は初心者の方でもとにかく作りやすく、材料や素材にこだわって、焼き上がりも綺麗になるよう工夫したレシピを伝授します。パン作りに興味のある方、健康に気遣ってらっしゃる方は体験から来ていただけたらと思います。お問い合わせをお待ちしております。

 

※上記記事は2023年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

オーガニックパン教室 松田 久仁子 先生

オーガニックパン教室松田 久仁子 先生 KUNIKO MATSUDA

オーガニックパン教室 松田 久仁子 先生 KUNIKO MATSUDA

  • 出身地: 東京都
  • 趣味: パンやスイーツの食べ歩き、ウクレレ、映画鑑賞
  • 好きな本: 世界の絶景写真集
  • 好きな映画: コメディ、ラブロマンスなど。最近面白かったのは『トップガン マーヴェリック』
  • 好きな言葉: 自分らしく
  • 好きな音楽: ジェイク・シマブクロ、名渡山遼
  • 好きな場所: 高層ビルからの眺望

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