院長 髙橋 英二(さぎぬま髙橋内科クリニック)のインタビュー

さぎぬま髙橋内科クリニック 院長 髙橋 英二

さぎぬま髙橋内科クリニック 院長 髙橋 英二 EIJI TAKAHASHI

秋田県出身。平成11年聖マリアンナ医科大学卒、平成13年4月聖マリアンナ医科大学病院循環器内科勤務、平成26年10月柴崎ファミリークリニック常勤医勤務、平成27年9月同クリニック内科部長、令和2年4月同クリニック副院長、令和4年4月おおば内科クリニック院長。

医師であった祖父の背中を流した思い出

祖父と父が医師でありましたが、二人から医者になれと言われたことはありませんでした。そのため、子どもの頃は隣の家に住んでいたおじさんのような大工さんになろうかと思っていました。小学生の頃だったか、あるとき祖父も含めて家族旅行に出かけました。すると、父から突然「おじいちゃんの背中を流してきなさい」と言われました。「普段そういうことは言わないのにどうしたんだろう」と思いつつ、父に言われた通り祖父の背中を流すと、その旅行から1、2ヶ月後に祖父が亡くなったのです。体調が良くないことは知っていたようですが、単なるコミュニケーションのつもりだったのでしょう。祖父の死は悲しいものでしたが、同時に「あのとき、背中を流してよかった」と思いました。そして、それを勧めてくれた父にも感謝しました。父のおかげで祖父との最後の思い出が出来ましたし、祖父が孫の私に背中を流されたあの時間を胸に安らかにこの世を去っただろうと思えたのです。愛する祖父へ贈り物ができたと感じ、父が医師であったことを特別に感じました。そこで「医師という職業はいいな」と初めて思いました。医療は命を救うことや病気を治すことももちろん大事ですが、この世を去って行く人へ優しさを添えることもできる仕事です。祖父が亡くなってからは「ひとの人生に貢献できる職業になりたい」と考えるようになり、自然と医師の道を選びました。父にその旨を告げたときは、賛成も反対もなく「ふうん」と言っただけでしたが(笑)、本当は嬉しかったのだと思っています。

研修医時代に出会った同世代の患者様

聖マリアンナ大学医学部を卒業した後は、研修医として各科を回りました。元々、患者様のバックグラウンドを知れるという理由から内科を希望していましたが、尊敬する先輩がいる循環器内科を専門に選びました。そこで救急診療も経験いたしました。循環器内科の急患は、症状が最もひどいときに運ばれる方が多くいらっしゃるので、治療を施した後、患者様が元気に歩いて退院されるケースが多くあります。患者様の変化が目に見えて分かりやすい点は循環器内科の特徴のひとつではないでしょうか。どんな医師でもそうですが、患者様が元気に帰られる姿を見るのはやりがいを感じます。印象に残った患者様はたくさんいらっしゃいますが、研修一年目で出会った若い患者様は今でも忘れられません。その方は、劇症型心筋炎を患っていて人工心肺を付けての加療となりました。私も必死で治療を施しましたが、残念ながら救うことは出来ませんでした。私と同世代の患者様でしたので、より記憶に残っております。あのときの悔しい思いを抱えながら、今でも治療に向き合っています。

前院長の意思を受け継いで新たに進化していく

当院の前院長大庭治雄先生は私の先輩であり患者様に愛された医師でした。前院長が急逝されしばらくクリニックを休診したあと、私が院長に就任したことでクリニック再開のお手紙を患者様方にお送りしました。すると「診療再開を待っていました」というお声をたくさんいただきました。「ずっとここのクリニックに通っていたので、他の病院に変える気が起きなかったんです」とお聞きしたときには嬉しく思うと同時に、前院長のカリスマ性とこれからの責任を感じました。私が院長となりましたが、基本的には大庭先生の方針を引き継ぎたいと考えています。そして、さらに患者様に寄り添える診療をしていきたい。クリニックは、大きな病院と比べ患者様の自宅に近い場所にある強みがあります。その強みを生かし患者様のご事情やバックグラウンドをより見ていきたいです。内科は他の科と比べ患者様と医師が長くお付き合いする科であります。血圧の薬も何十年とお渡しするケースもあります。ですので、その方の症状を数値だけで見るのではなく、どんなご事情をお持ちなのか、患者様のバックグラウンドを知ることで症状の変化を理解し治療にあたりたいと考えております。患者様にはここにいらして思う存分お話しいただきたいと思っております。

受診控えは体調悪化の原因に

最近は、コロナへの感染を心配され受診控えをされる方もいらっしゃいます。コロナとは違うご理由かもしれませんが、当院で前院長が急逝されしばらく休診している間、他の病院へ通わなかったことでそれまで飲んでいた血圧の薬も止めてしまっていた患者様もいらっしゃいました。私が血圧を測ったところ、数値が飛び上がるほど高くなっていたのですぐに薬を処方しました。また、風邪だと思っていたが念のためPCR検査をしたら陽性だったということもあります。風邪というのはよくある病気ですが、実は侮れないものなのです。同じ風邪でも”心臓の風邪”と言われる心筋炎は、心臓にウイルスが感染し炎症を起こすこともあります。このように、風邪をこじらせ病状が長期化すると循環器に影響を及ぼすケースも少なくありません。コロナへの感染を心配されるお気持ちは分かりますが、最悪なケースを起こさないためにも出来れば受診控えは出来ればなさって欲しくありません。当クリニックはきちんと感染対策も行なっておりますので、安心してお越しいただけたらと思います。

どこへ行ったらよいか分からないときは内科へ

何となく体調が悪い、体の調子が悪いがどこの科へ行ったらよいか分からないときは内科へいらしてください。こちらで診療をすれば、どの科で治療をしたらよいかが分かります。患者様の症状にはさまざまなサインが隠れています。症状から出ているサインを、いかに医師がキャッチできるかがとても重要です。私からすると、そのサインに教えられるという印象ですね。出来る限りの知識を持って患者様からお話を聞き、治療を施しすうちに別の疾患を予想外に発見することもあります。ですので、何となく体の調子が気になるといった場合でも、遠慮なさらず可能な範囲でお越しいただけたらと思います。敷居が高くないように、入っていきたくなるようなクリニックを目指しております。

 

※上記記事は2022年7月に取材したものです。
時間の経過による変化があることをご了承ください。

さぎぬま髙橋内科クリニック 院長 髙橋 英二

さぎぬま髙橋内科クリニック院長 髙橋 英二 EIJI TAKAHASHI

さぎぬま髙橋内科クリニック 院長 髙橋 英二 EIJI TAKAHASHI

  • 出身地: 秋田県
  • 趣味・特技: バスケットボール、スポーツ観戦
  • 好きな本: 池井戸潤『下町ロケット』
  • 好きな言葉: 実るほど頭を垂れる稲穂かな
  • 好きな音楽: Mr.Children、ゴダイゴ
  • 好きな映画: 『バック・トゥ・ザ・フューチャー』
  • 好きな場所: 家族で行く電車の旅

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